この夏、読書で“英語の世界”を旅しよう!CEFRレベル別、読解力を伸ばすおすすめ本

読解力を高めるための良書を、CEFRレベルごとにご紹介
夏といえば旅の季節。
でも、物理的な旅行だけが“旅”ではありません。本のページをめくるだけで、あなたは異国の文化、価値観、そして言語の海へとダイブできるのです。外国語学習において「読む力=読む体力」は、夏休みのような時間があるときこそ鍛えるチャンス!
今回は、学習者の発達段階(国際基準の英語レベル指標「CEFR(セファール)」)に基づき、語彙、文法、読解力を自然に引き上げられる本を「物語性」も重視し、レベル別にご紹介します。
さあ、この夏は「英語の世界」を旅してみませんか?
目次
A1〜A2(初級):「英語が読めた!」を体験しよう
英語の読書は初めて?大丈夫。まずはシンプルで、内容が身近なものから。
『The Magic Tree House』 – Mary Pope Osborne
- ジャンル:冒険/ファンタジー
- おすすめポイント:短い章、平易な語彙、ストーリーの面白さが抜群。子ども向けとはいえ、大人でも楽しめる冒険譚。
- 効果:英語の語順・時制感覚が自然と身につきます。
『Diary of a Wimpy Kid』 – Jeff Kinney
- ジャンル:コメディ/学園もの
- おすすめポイント:イラスト豊富、短文が多く、口語表現も学べます。中学生の日常を通じて、文化理解にも一役買います。
- 効果:日常会話に出てくるリアルな表現を習得。
『The Elephant Man』 – Tim Vicary(Oxford Bookworms Stage 1)
- ジャンル:実話ベースの人間ドラマ
- 語数:~5,000語
- 特徴:やさしい英語で感動的な物語が読める。心があたたかくなる入門書。語数も抑えられており、1日で1冊読了も夢じゃない!CDや音声付きでシャドーイングにも使える。
『Sherlock Holmes: The Blue Diamond』 – Sir Arthur Conan Doyle(Penguin Readers Level 2)
- ジャンル:ミステリー
- 語数:~6,000語
- 特徴:名探偵ホームズを、初級英語で体験可能!
『The Little Prince』星の王子さま) – Antoine de Saint-Exupéry(やさしい英語版あり)
- ジャンル:哲学的ファンタジー
- 特徴: 短くてシンプルなのに深い。初心者でも「文学の香り」を味わえる一冊。
- 読みやすさ: 日常表現の繰り返しが多く、自然に構文に慣れる。
B1〜B2(中級):物語の「行間」も読めるように
ストーリーの世界にどっぷり浸かりたい人や「読む力」を実感できるようになるのがこのレベル。読後の達成感も大!
『Of Mice and Men』 – John Steinbeck(Penguin Readers Level 5 or 原作)
- ジャンル:社会派文学
- 特徴:移民労働者の悲哀を描く短編。語彙・表現はやや挑戦的だが、文章が美しい。
『Harry Potter and the Philosopher’s Stone』 – J.K. Rowling
- ジャンル:ファンタジー
- 特徴:中学生~高校生向け。魔法の世界を通して自然に英語表現に触れられる。英語学習者にとって鉄板。知られたストーリーだから推測しやすく、語彙習得にも最適。
『The Curious Incident of the Dog in the Night-Time』 – Mark Haddon
- ジャンル:ミステリー/ドラマ
- 特徴:ASDの少年の視点から描かれており、シンプルながら深みがある。文体が平易で読みやすい。
- おすすめポイント:15歳の少年の語りで展開するので、文法がシンプル。好奇心を刺激するプロットで読み進めやすい。
- 効果:読解スピードと読書耐性が飛躍的に向上します。
『Wonder』 – R.J. Palacio
- ジャンル: ドラマ/ヒューマンストーリー。ヤングアダルト小説(友情・いじめ・家族)
- 特徴: 登場人物の視点が入れ替わることで、多角的な英語表現に触れられる。心も温まる!
- おすすめポイント:語彙はやや豊富ですが、感情に訴える描写が多く、文脈から意味がつかみやすい。
- 効果:複数の視点から描かれるストーリーで、文章構成力の参考にも。
『Penguin Readers』(Level 4〜5)
- 例: Malala: My Story, The Great Gatsby (簡易版)
- 特徴: 中級でも物語性と英語力のバランスが絶妙。読後に「英語で考える」力が伸びる!
C1〜C2(上級):原書で世界を読む読解力へ
本格的に「英語の世界」を味わいたいあなたには、語彙力・文構造の応用力が試されるこちらの本を。
『Educated』 – Tara Westover
- ジャンル:自伝/ノンフィクション
- おすすめポイント:教育の力を実感する感動作。複雑な感情や状況を言葉でどう表現するかが学べます。
- 効果:リーディング+ライティングの両面に効く構文力が身につく。
『1984』 – George Orwell
- ジャンル:ディストピア政治小説
- 特徴:抽象的なテーマ(監視社会、言語支配)を扱う。語彙・構文が高度。
- 挑戦ポイント: 抽象概念、政治的メタファー、論理的構文など、まさに「読む筋トレ」。
『The Great Gatsby』 – F. Scott Fitzgerald(原書)
- ジャンル:恋愛・社会風刺。クラシック/アメリカ文学
- 特徴:美しい比喩や複雑な象徴に満ちた文章。1920年代アメリカの社会と人間模様を描いたアメリカ文学の名作。英語学習者の定番。
- 挑戦ポイント: 比喩・象徴が多く登場し、読解+解釈が必要。英語で「文学の深み」を味わう第一歩に。
- 効果:抽象的表現、時代背景を踏まえた読解が可能になります。
『Never Let Me Go』 – Kazuo Ishiguro
- ジャンル:SF・文学
- 特徴:滑らかな語り口と内省的な文体。文学的ながら比較的平易な英語で読める。
- 挑戦ポイント:ストーリーが複雑で“読解”の奥行きを求められる。英語上級者にもおすすめ。
英語読書は旅のようなもの
語学学習とは、未知の文化や価値観に触れる「旅」。そして読解力は「一気に伸びるもの」ではなく、「読んだ分だけ」積み上がるスキル。
この夏は涼しいカフェや木陰で、ひとり静かにページをめくる時間を作って「英語で物語を楽しむ夏」にしてみませんか?
あなたが選んだ一冊が、英語力だけでなく、世界の見方まで広げてくれるかもしれません。
読書を「学び」に変えるコツ
・ジャンルを決めて選ぶ(ファンタジー?ミステリー?)
・ 声に出して読む+オーディオと併用
・ 読後に感想を英語で一言書いてみる
・ 分からない単語は「立ち止まりすぎない」勇気も大事
さあ、どの本から“旅”を始めましょうか?